と追掛けて来たのは、勇治《ゆうじ》という胡麻の灰。
勇「おい/\巡礼々々」
山「あい」
勇「己は汝《てめえ》と須原で合宿《あいやど》になり、宮之越でも合宿に成った者だ」
山「左様でがすか」
勇「左様でがすかじゃアねえ、これ道中をするには男の姿でなけりゃア成らぬと云うので、そういう姿に成ってるが、汝は女だな」
山「いゝえ私は男でげす」
勇「隠したってもいけねえや、修行者でも商人《あきんど》でも宜く巡礼の姿に成って来ることが有るが、汝は手入らずの処女《きむすめ》に違《ちげ》えねえ、口の利き様《よう》から外輪《そとわ》に歩く処は、何う見ても男のようだが、無理に男の姿に成って居ても乳が大きいから仕方がねえ」
山「何を仰しゃるのだえ、私はそんな者ではございません、全く男でござります」
勇「いけねえ、何でも女に違えねえ、今夜己が落合へ連れて行って一緒に□□□□ようと思って来たんだ」
山「冗談を云っちゃアいけません」
勇「冗談じゃアねえ、汝を宿屋へ連れて行ってから、きゃアぱア云われちゃア面倒くさいから、こゝで己の云う事を聴いたら、得心の上で宿屋へ泊って可愛がって遣るのだ、ぐずッかすると宿場へ遣って永
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