両親が無いとは云いながら年の行《ゆ》かぬのに、あゝ遣《や》って他人の世話をするのは実に感心じゃ、実にそりゃア立派な者も及ばぬくらい、それで私は彼が可愛いから、小さい時分から袴を着けさせて、檀家へ往《ゆ》く時は必ず供に連れて行《ゆ》くと、彼も中々気象が勝って居て、男の様で、ベタクサした女の様な事が嫌いだから、今迄は男のつもりで過ぎたが、もう今年は十六歳じゃ、十六と成っては若衆頭《わかしゅあたま》でも何処《どこ》か女と見え、臀《しり》もぼて/\大きくなり、乳房もだん/\大きくなって何様《どない》な事をしても男とは見えないじゃ、すると中には口の悪い者が有って、和尚様はまア男の積りにして彼《あ》の娘を夜《よ》さり抱いて寝るなどゝ云う者も有るで、誠に何うも困るて、それからまア何うか相当の処が有ったら縁付けたいと思って居ると、彼も方々で可愛がられるから、少し宛《ずつ》の貰い物もある、処が小遣や着る物は皆私に預けて少しも無駄遣いはせんで、私の手許に些少《ちっと》は預りもあり、私も永く使った事だから、給金の心得で貯《の》けて置いた金も有るじゃ、それに又少し足して、十両二十両と纒《まとま》った金が出来た
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