に話をすると、惠梅比丘尼の行方《ゆくえ》を尋ねますと、月岡村の雪崩法寿院《なだれほうじゅいん》という寺の山清水の流れに尼の死骸が有ると云うので、その村の人々が気の毒な事と云うて、彼方《あちら》へ是を葬りました事が、翌日の日暮方に分りましたので、
山「何《なに》ともお気の毒様で申そう様《よう》もございません」
又「いや私《わし》も今聞きましたが、山之助さん、まア情ないことに成りました、私は盗人《ぬすびと》に胸倉を取られて居る、惠梅は取られた胸倉を振切って先へ駈下りたなれどなア、女子《おなご》で足は弱し、悪い奴に取囲まれ、切られて死んだかと思えば憫然《ふびん》じゃなア、月岡の寺へ葬りになりましたとは知らずに居りましたが、左様かえ、致し方はない、何うも情ないことで」
山「誠にお気の毒様、嘸《さぞ》お力落しでございましょう」
又「年を取って女房に別れるは誠に厭な心持じゃア、大きに御苦労を掛けましたが何うも仕方がない、不思議の因縁じゃアに依って山之助さん、お前さん方も月岡まで寺参りに往って下さい、私《わし》も比丘を葬りました其のお寺で法事でも為《し》て貰いたい、よく/\因縁の悪いと見えてまア是れ
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