又「お前は嘸《さぞ》怖かったで有ろうのう、斯様《かよう》な奴を助けて置くと村方を騒がして何《ど》の様《よう》なる事を為《す》るかも知れぬから、土地の助けに殺したのだ」
やま「有難うございます、命の親でございます」
と手を合せたが、おやまは後《あと》へ下《さが》る、是は又市が刃物を持って居りますから気味が悪いから後へ下る。
又「何も心配は無いから」
と血《のり》を拭《ぬぐ》って鞘《さや》に納め、額の疵へ頭陀の中より膏薬《こうやく》を出して貼付け、後鉢巻《うしろはちまき》をして、
又「さア是から家《うち》まで送ろう」
とおやまの手を取って白島村へ帰ろうとする途中、山之助が帰って伯父に知らせたから、村方の百姓二十人|許《ばか》りおやまの行方を捜しに来る者に途中で出逢い、これから家まで送り届けると云う。是が縁に成って惠梅と水司又市の二人がおやま山之助の家へ来て永く足を留める。これが又一つ仇討《あだうち》に成りまする端緒《いとぐち》でございます。
三十七
おやまの危《あやう》い処《ところ》を助けて、水司又市と惠梅比丘尼は彼《か》のおやまの家《うち》まで送って参る途中
前へ
次へ
全303ページ中167ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング