《よ》く知って居りますから、
庄「えゝ/\/\貴方は高岡の永禪様」
永「庄吉か」
庄「永禪様か」
と此の時は又市も驚きまして、此奴《こいつ》らは吾《わが》身上《みのうえ》を知って居る上からは助けて置いては二人の難儀と思い、永禪和尚と声を掛けられるや否や持って居た刀で庄吉の肩へ深く切付ける、庄吉はきゃアと云って倒れる。傳次は驚いて逃げに掛る処を袈裟掛《けさがけ》に切りましたから、ばったり倒れると、柳田典藏は残念に思い、この乱暴人と自分の乱暴人を忘れ振冠《ふりかぶ》って切掛ける。又市は受損じ、蹌《よろ》めく機《はず》みに又市が小鬢《こびん》をはすって頭《かしら》へ少し切込まれたが、又市は覚えの腕前返す刀に典藏が肱《ひじ》の辺《あたり》へ切込みますと、典藏は驚き、抜刀を持ちながらばら/\/\/\山から駈下《かけお》りました。傳次は面部へ疵《きず》を受けながら、
「太《ふて》え奴だ人殺し」
と又市の足へ縋《すが》り付く処を。
又「放せえ、うーん」
と止《とゞ》めを刺しましたから、其の儘息は絶えました。
永「惠梅々々」
梅「はい恟《びっく》りしました」
又「宜《い》いかえ」
梅「あゝ怖い」
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