介親《なこうどおや》と頼まんければ成らぬと思いまして……最う少し万事に届く方と思ったが、冒頭《のっけ》に姓名を明かされては困りますねえ、実に恥入る」
傳「然う怒ったっていけません、旦那、旦那怒っちゃいけません、斯う仕ようじゃアございませんか、種々《いろ/\》私《わっち》も路々《みち/\》考えたが私の云う事を聴いて然うお前《まえ》さん云ってしまってはいけねえ、あれさ、そんな事をぷん/\怒ったっていけません、何でも気を長くしなければ成らねえ、あの娘は不動様へ又お参りに来ましょう、そこでまだ貴方を見ねえのだから先刻《さっき》私《わっち》が話を聴いて見ると、斯ういう墨《くろ》の羽織を着て、斯々《これ/\》の方を御覧かと云ったら急いだから存じませんと云うから、あの娘に貴方を見せたいや、貴方ね、二十二まで独身《ひとり》で居るのだから、十九《つゞ》や二十《はたち》で色盛《いろざかり》男欲しやで居るけれども、貴方をすうっとして美男《いゝおとこ》と知らず、矢張《やっぱり》村の百姓と思って居るから厭だと云うかも知れねえから、お前さんの色白で黒の羽織を着てね、それが見せたい、まだ当人に逢わないからで、娘が逢
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