《もん》でげすな、お前《めえ》さんの云う通り白髪《しらが》の島田はないからねえ、何うも仕様がないね何うも」
典「貴公|私《わし》の名前を先方《せんぽう》へ言いますまいねえ」
傳「私《わっち》は左様《そう》言いましたよ、柳田典藏|様《さん》と云う手習《てなれえ》の師匠で、易を立《たっ》て斯《こ》うとすっかり列《なら》べ立ったので」
典「それは困りますね、姓名を打明《うちあか》して呉れては恥入るじゃアないか」
傳「だって余程《よっぽど》受けが宜かろうと思って列べたので」
典「それはいかぬ、先《まず》先方で縁談が調《とゝの》うか否《いな》かを聞いて詳《くわし》くは[#「詳《くわし》くは」は底本では「詳《くは》くは」]云わんで、然《しか》るべき為になる家《うち》ぐらいの事を云って、お前|行《ゆ》くか、はい参りますとぼんやりでも云ったら、そく/\姓名を打明けて云っても宜《い》いが、極らぬうちから姓名を打明けては困りますな、何うも最《も》う少し何か事柄の解《わか》るお方かと思ったら存外考えがなかった、宜しい/\、実は荒物屋の店でも貴公に出させようと思って、二三十金は資本《もとで》を入れる了簡で、媒
前へ 次へ
全303ページ中151ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング