傳「旦那もう過去ったから構わねえが、此の人が死人《しびと》と知らずに帯に掴《つかま》って出ると、死人《しにん》が出たので到頭ぼくが割れて縛られて往《い》きました」
庄「すると彼《あ》れから其の響けで永禪和尚が逃《の》げたので、逃げる時、藤屋の女房《じゃアまア》と眞達を連れて逃げたのだが、眞達を途中で切殺して逃げたので、ところが眞達は死人《しにん》に口なしで罪を負うて仕舞い、此方《こちら》は小川様が情深い役人で、調べも軽《かろ》くなって出る事は出たが、一旦《えったん》人殺しと賭博《とばく》騒ぎが出来《でけ》たから、誰あって一緒《えっしょ》に飯い喰う者もないから、これは迚《とて》も仕様がねえ、と色々《えろ/\》考え、何処《どこ》か外《ほか》へ行《い》こうと少しばかりの銭を貰うて流れ/\て此処へ来て、不思議な縁で、今は旦那の厄介になって居《い》るじゃ」
傳「旦那、……寺の坊主が前町の荒物屋の女房《にょうぼう》と悪いことをしやアがって、亭主を殺して堂の縁の下へ死人《しびと》を隠して置いたのさ、ところで其の死人に此奴《こいつ》が掴《つか》まって出たと云う可笑《おか》しい話だが、彼《あ》の時おれは
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