/\土間へ転がして、鉄砲を持って来て爺婆の死骸を縁の下へ入れましたが、能《よ》く死骸を縁の下へ入れる奴です。これから血の掃除を致し、図々《ずう/\》しく残りの酒を飲んで永禪和尚は鼾《いびき》をかいて寝ましたが、実に剛胆な奴であります、翌朝《よくちょう》身支度をして何喰わぬ顔で、此処を出ましたが、出ると急ぎまして、宜《よ》い塩梅《あんばい》に広瀬の渡《わたし》を越して、もう是れまで来れば宜いと思うと益々雪の降る気候に向って、行《ゆ》く事も出来ませんから、人知れず千島村《ちしまむら》という処へ参って、水無瀬《みなせ》の神社の片傍《かたほとり》の隠家《かくれが》に身を潜め、翌年雪も解け二月の月末《つきずえ》に越後地へ掛って来ます。芦屋《あしや》より平湯駅《ひらゆえき》に出で、大峠《おおとうげ》を越し、信州松本《しんしゅうまつもと》に出まして、稲荷山《いなりやま》より野尻《のじり》、夫《それ》より越後の国|関川《せきがわ》へ出て、高田《たかた》を横に見て、岡田村《おかだむら》から水沢《みずさわ》に出まして、川口《かわぐち》と云う処に幸い無住《むじゅう》の薬師堂が有ると云うので、これへ惠梅比丘尼
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