左様《さよ》なれば」
婆「どうぞお帰りにお待ち申します」
清「大《おお》けにお妨げを致しみした、左様《さよ》ならば」
又「お前さん山手の方へよってお出《いで》なさいませんと、道が悪うございますよ、崩れ掛った所が有りますから、何時もいう通りにね、あの寄生木《やどり》の出た大木の方に附いてお出でなさいよ……あゝまア思い掛《がけ》なく清兵衞さんがお出でなすって、一晩お泊め申して緩《ゆっ》くり話を聞きたいが、お急ぎと見えてハイもう影も見えなく成った、のう婆さん忰の殺されたのは十九日の明方大沓の渡口だったのう婆さん」
婆「あい」
又「奥に泊って居る客人は己《おれ》の所《とこ》へ幾日《いっか》に泊ったっけな」
婆「あれは先々月のちょうど、二十日《はつか》の晩に泊りました」
又「二十日……えー十九日の明方に川を渡って湯の谷泊りと仰《おっし》ゃったが、ちょうど二十日が己の所へお泊りと……婆さん、あのお比丘さんの名はお梅という名じゃないか」
婆「何だか惠梅《えばい》様/\と云ったり、またお梅と呼びなさる事もあるよ」
又「はゝア何でも此の頃|頭髪《あたま》を剃《す》った比丘|様《さん》に違いない、毛の生え
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