恐れて、逃げて/\信州路へ掛っても間に合わぬから、此奴をくり/\坊主にして私も坊主になってとうとう飛騨口へ逃込んだのよ」
永「ふうん然うかえ」
又「それがお前さん面白い話でどうも高山にもうっかり居《い》られないで、だん/\廻って落合の渡しを越えて、此の三河原と云う此処《ここ》の家《いえ》へ泊ったが不思議の縁でございます、先《せん》に又九郎《またくろう》と云う夫婦が有ってそれが私が泊って翌日立とうかと思うと、寒さの時分では有るが、誠に天の罰《ばち》で、人が高い給金を出して抱えて居る女郎《じょうろ》を引浚《ひきさら》って逃げた盗賊の罪と、国に女房子を置放《おきぱな》しにした罰が一緒に報って来て私は女房《これ》のか[#「か」に傍点]の字を受けたと見えて痳病《りんびょう》に痔《じ》と来ました、これがまた二度めの半病床《はんどや》と来て発《た》つことが出来ませんで、此処の爺《じゝい》婆《ばゝあ》に厄介になって居りますると、先の又九郎夫婦が誠に親切に二人の看病をして呉れ、その親切が有難いと思って稍《やゝ》半年も此処に居りまして、漸《ようや》く二人の病気が癒《なお》ると、此処の爺婆が煩《わずら》い付
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