》と云う家《うち》へ泊りました。是れは本当の宿屋ではない、その頃は百姓|家《や》で人を留めました。此処で、
永「お梅、厭《いや》でも有ろうけれども頭を剃って呉れえ、どうも女を連れて行《ゆ》けば足が付くから」
 と厭がるお梅を無理無体に勧めて頭を剃らせましたが、年はまだ三十で、滅相美しいお比丘様《びくさま》が出来ました。当人も厭ではあろうが、矢張身が怖いから致し方がない。
永「さ、幸い下に着て居る己の無地の着物が有るから、是を内揚《うちあげ》をして着るが宜《よ》い」
 と云うので、是から永禪和尚の着物を直してお梅が着て、その上に眞達の持って居りました文庫の中より衣を出して着、端折《はしょり》を高く取って袈裟を掛けさせ、又袈裟文庫を頭陀袋《ずだぶくろ》の様にして頸《くび》に掛けさせ、先《まず》これで宜いと云うので、俄《にわか》にお比丘尼様が一人出来ました。

        二十四

 永禪は縞《しま》の着物に坊主頭へ米屋被《こめやかぶ》りを致し、小長いのを一本差して、これから湯の谷を出ましたが、その頃百|疋《ぴき》も出しますと何《ど》うやら斯《こ》うやら書付を拵《こしら》えて呉れますから
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