だうぐや》が参《まゐ》りまして始終《しじう》お噂《うはさ》でございますよ。乞「へい然《さ》うでございますか。主「まア/\おいとしいことでございます……時に一寸《ちよつと》お薄茶《うす》を上《あ》げやう鉄瓶点《てつびんだ》てゞ……コレ/\其棗《そのなつめ》で宜《い》い、出《で》て居《ゐ》るんで宜《い》いから持《も》つてお出《い》で……一|服《ぷく》鉄瓶点《てつびんだ》てゞ上《あ》げませう、茶は挽《ひ》きたてだけれども、何《ど》うも湯加減《ゆかげん》が悪いのでうまく出来《でき》ないが、一|服《ぷく》上《あ》げる。乞「どうも誠に有難《ありがた》うございます、私《わたくし》は最《も》う一|生涯《しやうがい》、お薄茶《うす》一|服《ぷく》でも戴《いたゞ》けることでないと、断念《あきら》めて居《を》りましたところが(泣声《なきごゑ》)鉄瓶点《てつびんだ》てゞ一|服《ぷく》下《くだ》さるとは……往昔《むかし》の友誼《よしみ》をお忘れなく御親切《ごしんせつ》に……私《わたくし》は最《も》う死んでも宜《よ》うございます。主「然《さ》う仰《おつし》やられては実《じつ》に胸が一|杯《ぱい》になります……お菓
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