上《あ》げて、御飯《ごぜん》まで下《くだ》さる貴方様《あなたさま》のことでございますから、隠《かく》さず申上《まうしあ》げますが、私《わたくし》は芝片門前《しばかたもんぜん》に居《を》りました、神谷幸右衛門《かみやかうゑもん》でございます。主「へえー……何《な》にかえ、貴方《あなた》は神幸《かみかう》といふ立派《りつぱ》な御用達《ごようたし》で大《たい》したお生計《くらし》をなすつたお方《かた》か……えーまアどうも思《おも》ひ掛《が》けないことだねえ、貴方《あなた》の家宅《ところ》の三|畳《でふ》大目《だいめ》の、お数寄屋《すきや》が出来《でき》た時に、お席開《せきびら》きといふので、私《わたくし》もお招《まね》きに預《あづか》つたが、其時《そのとき》は是非《ぜひ》伊豆屋《いづや》さんなんぞと一|緒《しよ》に、参席《あが》る積《つも》りでございましたが、残念《ざんねん》な事には退引《のつぴ》きならぬ要事《よう》があつて、到頭《たうとう》参席《あが》りませぬでしたが……。乞「へい/\貴方《あなた》は誰方様《どなたさま》で……。主「私《わし》アお徒士町《かちまち》に居《を》つた、河内屋金兵
前へ 次へ
全23ページ中18ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング