来《でき》て居《ゐ》ますな……ズル/\ズル/\(汁を吸ふ音)ウン結構《けつこう》でございます……が、どうもカ堅《かた》くつて……。小「ホヽいやだよ此人《このひと》は、蜆《しゞみ》の貝《かひ》ごと食《た》べてさ……あれさお刺身《さしみ》をおかつこみでないよ。梅「へえ……あゝ好《い》い心持《こゝろもち》になつた。と漸々《だん/″\》盞《さかづき》がまはつて参《まゐ》るに従《したが》つて、二人とも眼《め》の縁《ふち》ほんのり桜色《さくらいろ》となりました。小「梅喜《ばいき》さん、本当《ほんたう》にお前《まへ》男振《をとこぶり》を上《あ》げたよ。梅「へえ私《わたし》は随分《ずゐぶん》好《い》い男《をとこ》で、先刻《さつき》鏡《かゞみ》でよく見ましたが。小「お前《まへ》に去年《きよねん》私《わたし》が寸白《すばこ》で引《ひ》いてゐる時分《じぶん》、宅《うち》へ療治《れうぢ》に来《き》たに、梅喜《ばいき》さんの療治《れうぢ》は下手《へた》だが、何処《どこ》か親切《しんせつ》で彼様《あん》な実《じつ》の有《あ》る人はないツて、宅《うち》の小梅《こうめ》が大変《たいへん》お前《まへ》に岡惚《をかぼ》れ
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