しまいと心得て、人間の道にあるまじき、人の預けた金を遣《つか》い、預かった覚えはないと云ったのは重々《じゅう/″\》申訳《もうしわけ》がないが、只今早速御返金に及ぶから、何卒《どうか》男と見掛けてお頼み申すから棟梁さん内聞《ないぶん》にして呉れまいか」
清「そりゃア宜《よろ》しゅうございますが、品《しな》に寄ったら訴えなければならねえが、旦那、無利息じゃアありますまい、貴方《あなた》も銀行や株式の株を幾許《いくら》か持っていなさるお身の上だから、預金《あずけきん》の取扱《とりあつか》い方《かた》も御存じでしょうが、此の金を預けてから七年になるから、七|朱《しゅ》にしても、千四百七十円になりますが、利息を付けて貰わなけりゃアならねえぜ」
丈「至極《しごく》御尤《ごもっと》もでござるから、只今|直《す》ぐに上げます、少しお待ち下さい」
 と直《す》ぐに立って蔵へまいり、三千円の外《ほか》に千四百七十円耳を揃《そろ》えて持ってまいり、
丈「へい、どうかお受取り下さい」
 と出しましたから、数《かず》を改めて、
清「重さんおしまいなさい」
 と云うから、重二郎は予《かね》て用意をして来た風呂敷
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