《うわのり》をして古河の船渡《ふなと》から上《あが》って、人力を誂《あつら》え、二人乗《ににんのり》の車へ乗せて藤岡を離れ、都賀村へ来ると、ぶんと[#「ぶんと」は「ぷんと」の誤記か]死骸の腐った臭《にお》いがすると車夫が嗅《か》ぎ附け、三十両よこせとゆするから、遣《や》るかわりに口外するなと云うと、火葬にすると云って、沼縁《ぬまべり》へ引込んで、葭《よし》蘆《あし》の茂った中で、こっくり火葬にして、沼の中へ放り込んだ上、何かの様子を知った人力車夫の嘉十、活《いか》して置いては後日の妨《さまた》げと思い、簀蓋《すぶた》を取って打殺《うちころ》し、沼へ投《ほう》り込んで、それから、どろんとなって、信州で其の年を送って、石川県へ往って三年ばかり経《た》って大阪へまいった所、知《しっ》ての通り芸子舞子の美人|揃《ぞろ》いだからたまらない、君から貰った三百円もちゃ/\ふうちゃさ、止《や》むを得ず立帰《たちかえ》った所が、まア斯《こ》ういう訳で取附く事が出来ねえから、鍋焼饂飩《なべやきうどん》と化けてると、川口町に春見|氏《うじ》とあって河岸蔵《かしぐら》は皆《みん》な君のだとねえ、あのくれいにな
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