り思って済まない事をしましたが、此ん畜生、宅《うち》の人に毒を盛って是はお上のお上《あが》りの御酒だから惜しいんだなんぞと云やアがって、そんな高い処に上げて置かずに此処《こゝ》へ下《おろ》してお呉んなはいよ、私ゃアしがみ附くよ」
 甲「控えろ、仮令《たとい》三寸|不爛《ふらん》の舌頭《ぜっとう》を以て陳じても最早逃れられぬぞ、是なるは番人喜助の女房梅で有る、見覚えが有るか何《ど》うじゃ」
 と云われ流石《さすが》の園八郎も差迫って紅梅を見てこう下を向いて居ります。
 甲「何うじゃ、是にても尚陳ずるか、相違有るまい何うじゃ」
 園「え、恐入りましてございます」
 甲「縄打てえ」
 と云うとトンと縁から下へ突落《つきおと》されると直《すぐ》にバラ/\と来て縄を掛ける。最早|遁《のが》れる道はない、毒薬を盛ったに相違ないと云う事が速《すみや》かに分りましたから、此の者は主《しゅう》殺しに当りますから、磔刑《はりつけ》になるべき処を、吉田監物の家が断絶になるから家事不取締りで、此の園八郎も妾《しょう》のお村も斬罪に処せられ、吉田監物は半地《はんち》に残したはお上の慈悲でございます。又下河原清左
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