合《はなしあい》で、表向《おもてむき》プッヽリと縁を切る様にしたいから何卒《どうか》願います、と云うのだが、気の毒でならねえ、あの利かねえ身体で、*四つ手校注に乗って広袖《どてら》を着て、きっとお前が此家《こゝ》に居ると思って、奥に先刻《さっき》から師匠は来て待って居るから、行って逢いな、気の毒だあナ」
*「四つ手かごの略。戸はまれに引戸ものあれど多くは垂れなり。」
 新「冗談云っちゃアいけない、伯父さんからかっちゃアいけません」
 勘「からかいも何もしねえ、師匠、今新吉が来ましたよ」
 豐「おやマア大層遅く何処《どこ》へ行っておいでだった」
 勘「新吉、此方《こっち》へ来なよ」
 新「ヘエ、逢っちゃアいけねえ」
 と怖々《こわ/″\》奥の障子を明けると、寝衣《ねまき》の上へ広袖を羽織ったなり、片手を突いて坐って居て、
 豐「新吉さんお出《いで》なすったの」
 新「エヽド何《ど》うして来た」
 豐「何うして来たってね、私が眼を覚《さま》して見るとお前がいないから、是は新吉さんは愛想が尽きて、私が種々《いろ/\》な事を云って困らせるから、お前が逃げたのだと思って気が付くと、ホッと夢の覚め
前へ 次へ
全520ページ中100ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング