合《はなしあい》で、表向《おもてむき》プッヽリと縁を切る様にしたいから何卒《どうか》願います、と云うのだが、気の毒でならねえ、あの利かねえ身体で、*四つ手校注に乗って広袖《どてら》を着て、きっとお前が此家《こゝ》に居ると思って、奥に先刻《さっき》から師匠は来て待って居るから、行って逢いな、気の毒だあナ」
*「四つ手かごの略。戸はまれに引戸ものあれど多くは垂れなり。」
新「冗談云っちゃアいけない、伯父さんからかっちゃアいけません」
勘「からかいも何もしねえ、師匠、今新吉が来ましたよ」
豐「おやマア大層遅く何処《どこ》へ行っておいでだった」
勘「新吉、此方《こっち》へ来なよ」
新「ヘエ、逢っちゃアいけねえ」
と怖々《こわ/″\》奥の障子を明けると、寝衣《ねまき》の上へ広袖を羽織ったなり、片手を突いて坐って居て、
豐「新吉さんお出《いで》なすったの」
新「エヽド何《ど》うして来た」
豐「何うして来たってね、私が眼を覚《さま》して見るとお前がいないから、是は新吉さんは愛想が尽きて、私が種々《いろ/\》な事を云って困らせるから、お前が逃げたのだと思って気が付くと、ホッと夢の覚め
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