仕様がねえ、全体師匠の云う事はよく筋がわかっているよ、伯父さん誠に面目ないが、打明けてお話を致しまするが、新吉さんと去年から訝《おか》しなわけになって、何《なん》だか私も何《ど》う云う縁だか新吉さんが可愛いから、それで詰らん事に気を揉みまして、斯《こ》んな煩《わずら》いになりました、就《つい》ては段々弟子も無くなり、座敷も無くなって、実《ほんと》にこんな貧乏になりましたも皆《みんな》私の心柄で、新吉さんも嘸《さぞ》こんな姿で悋気《りんき》らしい事を云われたら厭《いや》でございましょう、それで新吉さんが駈出してしまったのでございますから、私はもうプッヽリ新吉さんの事は思い切りまして、元の通り、尼になった心持で堅気の師匠を遣《や》りさえすれば、お弟子も捩《より》を戻して来てくれましょうから、新吉さんには何《ど》んな処へでも世帯《しょたい》を持たせて、自分の好《す》いた女房を持たせ、それには沢山のことも出来ませんが、病気が癒《なお》れば世帯を持つだけは手伝いをする積り、又新吉さんが煙草屋をして居ては足りなかろうから、月々二両や三両位はすけるから、何卒《どうぞ》伯父さん立会《たちあい》の上、話
前へ 次へ
全520ページ中99ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング