が、確《しっ》かりした助太刀を頼むが宜い、先方《さき》は立派な剣術遣い、殊《こと》に同類も有ろうから」
宗「はい親父の時に奉公をしたもので、今江戸で花車という強いお相撲さんが有りますから。其の人を頼みます積りで」
道「若《も》し其の花車が死んでいたら何《ど》うする、人間は老少不定《ろうしょうふじょう》じゃから、昨日《きのう》死にましたといわれたら何うする、人間の命は果敢《はか》ないものじゃが、あゝ仕方がない、往《い》くなら往けじゃが、首尾好く本懐を遂げて念が断《き》れたらまた会いに来てくれ」
と実子のような心持で親切に申しまする。
宗「これがお別れとなるかも知れません、誠にお言葉を背きまして相済みません」
道「いや/\念が断《き》れんと却《かえ》って罪障《つみ》になる、これは小遣に遣るから持って往《ゆ》け」
と、三年此の方世話をしたものゆえ実子のように思いまして、和尚は遣りともながるのを、強《た》ってというので、音助に言付け万事出立の用意が整いましたから立たせて遣り、漸《ようや》く五日目に羽生村へ着《ちゃく》致しましたが、聞けば家宅《うち》は空屋《あきや》に成ってしまい、作
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