》ってみると、母様《かゝさま》は喉《のど》を締められておっ死《ち》んでいたもんだから、ワア/\泣《なえ》てる処へ己《おら》ア旦那が通り掛り、飛んだことだが、皆《みんな》因縁だ、泣くなと、兄《あに》さんと云い姉《あね》さんと云い母《かゝ》さままでもそういう死《しに》ざまをするというのは約束事だから、敵討《かたきうち》なぞを仕様といわねえで兎も角も己《おら》ア弟子に成って父《とっ》さまや母さまや兄さん姉さまの追善供養を弔《ともら》ったが宜《よ》かろうと勧めて、坊主になれといってもならねえだから、和尚様も段々可愛がって、気永に遣ったもんだから、遂《つい》には坊様になるべえとッて漸《ようや》く去年の二月頭をおっ剃《つ》ったのさ」
 新「ヘエ、そうでございますか、何《な》んですか、此のお小僧さんのお宅《うち》は何方《どちら》でございますと」
 音「え岡田|郡《ごおり》か……岡田郡羽生村という処だ」
 新「え、羽生村、へえ其の羽生村で父《とっ》さんは何《なん》というお方でございます」
 音「羽生村の名主役をした惣右衞門と云う人の子の、惣吉さまというのだ」
 と云われ新吉は大きに驚いた様子にて、
 
前へ 次へ
全520ページ中494ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング