、なんでも仇討《かたきぶ》ちをするって心にもねえ愛想づかしをして、羽生村から離縁状を取り、縁切に成って出て、敵の富五郎を欺《だま》して同類の様子を聴いたら、一角は横堀の阿弥陀堂の後《うしろ》の林の中へ来ているというから、亭主の仇《かたき》を討《う》ちぶっ切るべえと思って林の中へ這入《へえ》ったが、先方《むこう》は何《な》んてッても剣術の先生だ女ぐれえに切られる事はねえから、憫然《かわいそう》に其の剣術遣えが、此の人の姉様《あねさま》をひどくぶっ切って逃げたとよ、だから口惜しくってなんねえ、子心にも兄さんや姉《あね》さんの敵が討《ぶ》ちてえッて心易い相撲取が有るんだ…風車か…え…花車、そうかそれが、力量《ちから》アえれえから其の相撲取をたのむより仕様がねえと、母親《おふくろ》は年い老《と》ってるが、此の人をつれて江戸へ往《い》くべえと出て来る途《みち》で、小金原《こがねっぱら》の観音堂で以てからに塩梅《あんべえ》が悪くなったから、種々《いろ/\》介抱《けえほう》して、此の人が薬い買《け》えに往った後《あと》で母親さんを泥坊が縊《くび》り殺し、路銀を奪《と》って逃げた跡へ、此の人が帰《けえ
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