来る気遣《きづけえ》はねえが、割合《わりえゝ》を貰《もれ》え度《て》えなア」
新「汝《てめえ》はよく嘘を吐《つ》く奴だな、三藏が高野へ納める祠堂金を持ってるというから、懐を探して見たが、金なんぞ持っていやアしねえ、漸《ようや》く紙入の中に二両か三両しかありゃアしねえ」
作「冗談じゃアねえぜ、そんな事があるもんか」
新「だって汝《てめえ》嘘を吐いたんだ」
作「なに己が嘘なんぞ吐くものか、此の野郎殺して置いて其の金を取って仕舞ったに違《ちげ》えねえ、そんな事をいっても駄目だ」
新「なに本当だよ」
作「死骸《しげえ》はどうした」
新「川の中へ投《ほう》り込んでしまった」
作「嘘をいえ、戯《ふざ》けずに早くよこせよ、戯けるなよ」
新「なに戯けやアしねえ」
といわれ、作藏は少し怒気《どき》を含み、訛声《だみごえ》を張上げ、
作「手前《てめえ》の懐を改めて見よう、己だって手伝って、姐《あね》さんを斬ろうとする與助を己が蹴殺して、罪を造っているんだ、裸体《はだか》になって見せろやい、出せってばやい」
といいながら新吉に取縋《とりすが》る。
新「遣るよ、遣るから待てというに、
前へ
次へ
全520ページ中466ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング