来る気遣《きづけえ》はねえが、割合《わりえゝ》を貰《もれ》え度《て》えなア」
 新「汝《てめえ》はよく嘘を吐《つ》く奴だな、三藏が高野へ納める祠堂金を持ってるというから、懐を探して見たが、金なんぞ持っていやアしねえ、漸《ようや》く紙入の中に二両か三両しかありゃアしねえ」
 作「冗談じゃアねえぜ、そんな事があるもんか」
 新「だって汝《てめえ》嘘を吐いたんだ」
 作「なに己が嘘なんぞ吐くものか、此の野郎殺して置いて其の金を取って仕舞ったに違《ちげ》えねえ、そんな事をいっても駄目だ」
 新「なに本当だよ」
 作「死骸《しげえ》はどうした」
 新「川の中へ投《ほう》り込んでしまった」
 作「嘘をいえ、戯《ふざ》けずに早くよこせよ、戯けるなよ」
 新「なに戯けやアしねえ」
 といわれ、作藏は少し怒気《どき》を含み、訛声《だみごえ》を張上げ、
 作「手前《てめえ》の懐を改めて見よう、己だって手伝って、姐《あね》さんを斬ろうとする與助を己が蹴殺して、罪を造っているんだ、裸体《はだか》になって見せろやい、出せってばやい」
 といいながら新吉に取縋《とりすが》る。
 新「遣るよ、遣るから待てというに、
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