藏の脇腹をこじりましたから、三藏も遂《つい》に其の儘息が絶えました。すると手早く三藏の懐へ手を入れ、胴巻の金を抜き取って死骸を川の中へ投げ込んで仕舞い、
新「お賤/\」
賤「アイ、アヽ痛い、どうも酷《ひど》い事をしやアがった、石か何か取って、いやという程私の顔を打《ぶ》ちやアがった」
新「手出しをするからだ、黙って見ていればいゝに」
賤「見て居《い》ればお前が殺されて仕舞ったのだよ、與助の野郎がお前の後《うしろ》から斬りに掛ったから、私が一生懸命に手伝ったのだが、もう少しでお前斬られる処だったよ」
新「そうか、夢中でいたから、ちっとも知らなかった」
賤「與助をよく蹴倒したのう」
作「え、なに己だ、林の蔭に隠れていたが、危ねえ様子だから飛び出して来て、與助野郎の肋骨《あばら》を蹴折って仕舞った、兄い無心|処《どころ》じゃねえ突然《いきなり》に行《や》ったんだな」
新「汝《てめえ》はもう帰《けえ》ったのかと思った」
作「林の蔭に隠れていて、何《ど》うだかと様子を見ていたのよ」
新「誰か人は来やアしねえか、汝《てめえ》気を附けて呉れ」
作「大丈夫《でえじょうぶ》だ、誰も
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