ろ》から、新吉が胴金を引抜いて突然《だしぬけ》に三藏の脇腹へ突込《つきこ》みました、アッといって倒れる処へ乗掛り、胸先を抉《えぐ》りましたが、一刀《いっぽん》や二刀《にほん》では容易に死ねません、死物狂い一生懸命に三藏は起上り、新吉の髻《たぶさ》をとって引き倒す、其の内與助は年こそ取って居りまするが、田舎漢《いなかもの》で小力《こぢから》もあるものでございますから、川中から這い上《あが》って参りながら、短いのを引き抜き、
 與「此の野郎なにをしやアがる」
 と斬って掛る様子を見るよりお賤は驚き、新吉に怪我をさせまいと思い、窃《そっ》と後《うしろ》から出て参り、與助の髻を取って後の方へ引倒すと、何をしやアがるといいながら、手に障った石だか土の塊《かたま》りだか分りません、それを取って突然《いきなり》お賤の顔を打ちました。お賤は顔から火が出た様に思い「アッ」といって倒れると、乗《の》し掛り斬ろうとする処へ、馬子の作藏が與助の傍《わき》から飛び出して、突然《いきなり》足を上げて與助を蹴りましたから堪《たま》りません、與助はウンといって倒れました。新吉は刀を取直して又《ま》た一刀《いっとう》三
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