がら、あんな事をいうのも皆《みんな》新吉さんが教えたんだろう、己はどうせ安田の同類にされたから、知れゝば首は打斬《ぶっきら》れる様になってるんだから仕方がねえ、やるべえ/\、おゝ婆《ばゞ》アが帰《けえ》って来やアがった」
 新「それじゃア手前《てめえ》馬を引いて早く往《い》け」
 作「ハイ、そんなら直《すぐ》に馬ア引いて新高野へ三藏を迎《むけ》えに参《めえ》りやしょう」
 と出て行《ゆ》きました。これから新吉お賤も茶代を払って其処《そこ》を立出《たちい》でました。其の内もう日はとっぷりと暮れましたが、葮簀張《よしずッぱり》もしまい川端の葦《よし》の繁った中へ新吉お賤は身を隠して待って居ると、向《むこう》から三藏が作藏の馬に乗って参りました。
 作「與助さん貴方《あんた》もう何歳《いくつ》になるねえ、まだ若《わけ》えのう、長く奉公してるが五十を一つ二つも越したかえ」
  與「そうでねえ、もう六十に近くなったから滅切《めっきり》年を取って仕舞った」
 作「羽生村の旦那ちょっくら下りてお呉んなせえ」
 三「なんだ」
 作「なんでも宜《い》いから」
 三「坂を上《あが》ったり下りたりするので己
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