訳があるのだよ」
 作「三十両|呉《くれ》るなら遣附《やっつ》けやしょう」
 新[#「新」は底本では「作」]「若《も》し與助の野郎が邪魔でもしたら、汝《てめえ》打擲《ぶんなぐ》ってくれなくっちゃアいけねえぜ」
 作「與助|爺《おやじ》なんざアヒョロ/\してるから川の中へ投《ほっ》ぽり込んで了《しま》うがそれも矢張《やっぱり》金づくだがね」
 新「強請事《ねだりごと》をいわずに遣って呉れ、其の代り首尾よく遣って利を見た上で汝《おめえ》に又礼をしよう」
 作「それじゃア三藏に貸してくれといっても貸さねえといえば礼はねえか、困ったな、じゃア後《あと》の礼の処は当《あて》にはならねえな」
 新「まア其様《そん》なものだが、多分旨く往《ゆ》くに違《ちげ》えねえ、若《も》しぐず/\して貸さねえなんどゝいったら、三藏與助の二人を殴《たゝ》っ殺して川の中へ投《ほう》り込んでしまう積りだ、己も安田の提灯持|位《ぐれ》えは遣る了簡だ」
 作「お賤さん新吉さんが彼様《あん》な事を云うぜ」
 賤「お前度胸をお据《す》え仕方がないよ、私も板の間稼ぎぐらいは遣るよ」
 作「アレマア彼様《あん》な綺麗な顔をしていな
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