藏に逢ったよ、羽生村の質屋で金かした婆《ば》ア様が死んだって、其の白骨を高野へ納めるてえ来たが、今日は廿一日だから新高野山へお参《めえ》りをするてえので、與助を供に伴《つ》れて、己が先刻《さっき》東福寺まで送ってッたが、昔馴染だから二分くれるッて云ったが、有難うござえやす、実に今日は思え掛けねえ金儲けが出来た」
安「其の五両を取って見ると、もう同類だから是切り藤ヶ谷へ来ずにいて、若《も》し汝《てまえ》の口から己の悪事を訴人しても汝は矢張《やっぱ》り同罪だ、仮令《たとえ》五両でも貰って見れば同類だから然《そ》う思え」
作「己も覚悟を極めて行《や》るからには屹度《きっと》遣りやすよ、それは宜《い》いが、あんた直《すぐ》に独りで往《い》くか、馬に乗って往かないか、歩いて往く、そうか、左様なら……あゝ其方《そっち》へ往ってア損だから、其の土橋《どばし》を渡って真直《まっすぐ》においでなせえ、道い悪いから気い付けて往きなさえ、なア安田先生も剣術遣いだから、どうして剣術遣いじゃア飯《まんま》ア喰えねえ、あの人は旧時《もと》から随分|盗賊《どろぼう》ぐれえ遣《や》ったかも知んねえ、今己がに五両呉
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