本も喰えば、後《あと》に銭が残らねえ様な事をするより宜《い》いが、同類になって、若《も》し知れた時は首を打斬《ぶっきら》れるのかよ」
 安「そうよ」
 作「ウーン、それだけだな、己はもうこれで五十を越してるんだから百両で二十両になるのなら、こんな首は打斬られても惜くもねえから行《や》るべえか」
 安「汝《てまえ》馬を引いておれの隠家《かくれが》まで来い、あの明神山の五本杉の中に一本大きな楠《くすのき》がある、其の裏の小山がある処に、少しばかり同類を集めているんだ」
 馬「じゃア彼《あ》のもと三峰山《みつみねさん》のお堂のあった処だね、よくまア彼様《あん》な処にいるねえ、彼処《あすこ》は狼や蟒《うわばみ》が出た処《とこ》なんだから、尤《もっと》も泥坊になれば狼や蟒を怖がっていちゃア出来ねえが、そうかえ」
 一角は懐から金を取出し作藏に渡しながら、
 安「これは汝《てまえ》が同類になった証拠の為、少しだが小遣銭に遣るから取って置け」
 作「え、有難《ありがて》え、これは五両だね、今日は本当に思え掛けねえで五両二分になった」
 安「なぜ」
 作「不思議な事もあるものだ、今日はね、あのもさの三
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