んで好《え》えというに汝《われ》が送るてえば皆《みんな》若《わけ》え者《もん》も送りたがるから、誰か来たじゃなえか」
 作「ヘエ御免」
 多「やア作右衞門どんが」
 母「さア此方《こっち》へお這入りなさえ」
 作「誠にどうも、魂消《たまげ》て、どういう訳で急に立つことになったか、村の者もどうか止め度《て》えというから、馬鹿アいうな、止められるもんか、今度ア物見遊山でなえ、敵討《かたきぶち》に行くだというと、成程それじゃア止められねえが、まア名残い惜《おし》いってね、若《わけ》え者《もん》ば皆|恩《おん》になってるだから心配《しんぺえ》ぶっております、留守中は役にア立たないがお帰《けえ》りまでア慥《たしか》に荷物は皆《みんな》蔵へ入れて置きましたが、何卒《どうか》まア早く帰《けえ》ってお出でなさる様に願《ねげ》え度《て》えもんで」
 母「はい、お前方も旧《ふり》い馴染でがんしたけんども、今度が別れになります、はい有難うござえます、多助や誰か若《わけ》え者《もん》が大勢来たよ」
 多「やア兼《かね》か、さア此方《こっち》へ這入《へえ》れ、お、太七郎《たしちろう》此方へ」
 太「はい有難う、
前へ 次へ
全520ページ中426ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング