ど》うか止め度《た》いと思うが、敵を討ちに行くてえのだから止められねえッて名残《なごり》イ惜《おし》がってるでがんす、村の者もねえ皆《みんな》御恩になったゞから渡口《わたしぐち》まで送り度《て》えといってますが、あなたそういうから年い取った者ア来ないで好《え》えといって置きましたが、私《わし》だけは戸頭《とがしら》まで送り度《て》えと思って支度ウしました」
 母「汝《われ》も送らなえで好《え》いから若《わけ》え者《もん》を止めて呉んろよ、汝が送ると若え者も義理だから戸頭まで送りばいと云って来るだ、そうすりゃア送られると送られる程名残い惜いから、汝も送らなえでも好《え》いよ」
 多「だけンどもはア村の者《もん》は兎も角も私《わし》はこれ十四歳の時から御厄介《ごやっけえ》になって居りまして、お前様《めえさん》のお蔭でこれ種々《いろ/\》覚えたり、此の頃じゃアハア手紙の一本|位《ぐれえ》書ける様になったのア前《めえ》の旦那の御厄介《ごやっけえ》でがんすから、お家《うち》がこうなって遠い処《とけ》え行くてえ事《こっ》たら私《わし》も附いて行かないばなんねえが、婆様《ばあさまア》塩梅《あんべい》
前へ 次へ
全520ページ中423ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング