ったのう」
 隅「勤《つとめ》をして居て仕方なしに相手をするので上りましたよ」
 安「ふん妙だのう貞藏」
 貞「是は/\お隅さん貴方御酒を飲《あが》りますか、お酌を致しましょう」
 隅「はい有難うございます」
 と大杯《たいはい》に受けたのをグイと飲んで、
 隅「貴方|何《なん》だか真面目でいけないから、私がお酌を致しましょう」
 と横目でじっと一角の顔を見ながら酌をする。一角は素《もと》より惚れている女が酌をしてくれるから快く大杯で二三杯傾けると、下地の有った処でござりますからグッスリ酔《えい》が廻って来ます、貞藏も大変酩酊致しまして、
 貞「私《わたくし》もう大層戴きました、お隅さん私《わたし》は御免を蒙《こうむ》りまして、長く斯《こ》ういう処にいるべきものでありませんから、左様なら先生御機嫌よう」
 隅「まアお待ちなさいよ、先生がお酔いなすったから、おや/\次の方に床が取ってありますねえ」
 貞「いゝえ私《わたくし》床を取って置いて、先生がぐっと召上ってしまうと直《すぐ》にお寝《やすみ》という都合にして置きました、えゝ誠に有難う」
 隅「じゃア先生一寸貞藏さんを寝かして来ますから
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