とえ》妾にでもなすって下さるなら、私は本当に浮ぶ訳で、べん/\とこんな処にいたくないから、屹度《きっと》執成《とりな》しておくれかというと、お酒が始まって、すると彼《あ》の人の癖で直《すぐ》に酔ってしまって、まア馬鹿らしいじゃアありませんか、先生に取持つ代りにおれの云う事を聞けといって口説き始めたんでございますよ」
 安「こりア怪《けし》からん奴だ、どうだい貞藏」
 貞「でげすから彼《あれ》は先生いけませぬ、先生は彼奴《あいつ》を御贔屓になさいますが、全体よくない奴で、そういう了簡違いな奴でげすからなア、一体先生が余り贔屓になさり過ぎると思っていましたが、どうも御新造に取持とうという者、いわば仲人《なこうど》が一旦自分のいう事をきかして、それから縁付《かたづ》けると、そんな事がありましょうか、だから彼《あ》れはもう、お置きなさらん方が宜《よ》い、お為になりませぬからなア、彼奴が来てから私は彼奴に使われるような訳で、先生もう彼奴はお止し遊ばした方がようございますよ」
 安「お隅、それからどうしたい」
 隅「それで、私が馬鹿な事をおいいでないと云うと、そんな詰らんことを云わんでも宜《い》い
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