りましたので、先生誠に久し振でございますねえ」
安「ウンそれは妙だなア」
貞「これは先生妙でげすな、貴方の方でお呼び遊ばさぬのにお隅さんが此の雪の降る中を尋ねて来るなんて、自然にどうも貴方の…実に感服でげすなア」
安「なにそう云う訳でもなかろう、何か是には訳があって来たんだろう、なにかい富五郎がどういう事を云ったい」
隅「はい、富さんの云うには、べん/\とこんなア卑《いや》しい奉公をするよりも、一角先生の御新造にならないかといいますから、馬鹿なことをお云いでない、一旦名主の家《うち》へ縁付《かたづ》いたのだから、披露《ひろめ》はしないでも、今度|行《ゆ》けば再縁をする訳じゃアないか、それだから先生は決して御新造になさる訳はない、妾にすると仰しゃればまだしもの事だけれども、御新造にというのは訝《おか》しいじゃアないかというと、いゝえ全くお前さえよければ先生は御新造になさる思召《おぼしめ》しがあるのだから、お前がたって…頼みたいと思うなら、骨を折って宜《よ》いように執成《とりな》すから了簡を決めろといいますから、それは誠に思掛《おもいがけ》ない有難いこと、私の様な者を先生が仮令《た
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