の上へ乗りました。
隅「私は馬乗りに乗るわ」
富「何をするのだ、息が出なくって苦しい、何をする、切ないよ」
隅「本当に富さん不思議な縁だね」
といいながら隠してあった匕首《あいくち》を抜いて、
隅「惣次郎を殺したとは感付いていたけども、お前が手引で…一角の隠れ家まで…こういう事になるというのは神仏のお引合せだね」
富「実に神の結ぶ縁だねえ」
隅「斯《こ》ういう事があろうと思って、私は此の上ない辛い思いをして、恩ある姑《しゅうと》や義理ある弟に愛想尽《あいそづか》しを云って出たのも全くお前を引寄せる為、亭主の敵《かたき》罰当《ばちあた》りの富五郎覚悟しろ、亭主の敵」
と富五郎の咽喉《のど》へ突込《つッこ》む。
富「うーん」
というのを突込んだなり呑口を明ける様にぐッぐッと抉《えぐ》ると、天命とはいいながら富五郎はばた/\苦しみまして、其の儘うーんと呼吸《いき》は絶えました様子。お隅はほっと息を吐《つ》き、匕首の血《のり》を拭《ぬぐ》って鞘に納め、
隅「南無阿弥陀仏/\」
と念仏を唱え、惣次郎の戒名を唱えて回向《えこう》を致します。お隅は沈着《おちつ》いた女で、直《
前へ
次へ
全520ページ中401ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング