りましたね…………おや/\またいっぱいになった、貴方そばから置き注ぎはいけません………余程《よほど》酔って居るからもう御免なさい……あれはお隅さん、貴方が恩人の内宝《ないほう》になっているから、食客《いそうろう》の身として、酔ったまぎれで、女房になれ……江戸へ連れて行こうといったのは実に済まない……済まないが、心にないことは云われん様な者で、富五郎深く貴方を胸に思っているから酔った紛れに口に出たので、どうも実に御無礼を致しました、どうか平《ひら》に御免を……」
 隅「あやまらなくっても宜《い》いじゃアないか、本当にお前が心に思ってくれるといえば嘘にも嬉しいよ、富さん、私もね、何時《いつ》までもこんな姿《なり》をしていたくない……江戸へ知れては外聞が悪いからねえ……江戸へ行くったって親類は絶えて音信《いんしん》がないし、真実《ほんとう》の兄弟もないから何《なん》だか心細くって、それには男でなければ力にならぬが、こういう汚《けが》れた身体になったから、今更いけない、いけないけれどもお前がねえ、私の様な者でも連れて行って女房にすると云っておくれなら、私も親類へ行って、この人も元はこれ/\のお
前へ 次へ
全520ページ中393ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング