書きなすって、誠に永々《なが/\》お世話さまになりまして」
母「それアはア困りますな、今お前《めえ》に行かれてしまうと心細《こゝろぼせ》えばかりでなく、跡が仕様が無《ね》えだ、惣吉は年イ行かなえで、惣次郎のなえ後《のち》はお前《めえ》が何も彼《か》もしてくれたから任して置いて、己《おら》アまア家内《うち》の勝手も知んなくなったくれえだね、何《ど》うかまアそんなことを云わずに、どうかお前《めえ》がいてくれねえば困りますから」
隅「有難う存じますけれども、どうも居《い》られませぬ、居たって仕方がありませんもの、ほんの余計者になりましたから、どうか御面倒でも…今日直ぐと帰ります、水街道の麹屋に話をして帰りますから」
母「そりゃアハア間違った訳じゃアねえか、お前《めえ》は今迄まア外《ほか》の女と違って信実な者《もん》で、己《おら》ア家《うち》へ縁付《かたづ》いても惣次郎を大切《でえじ》にして、姑《しゅうと》へは孝行尽し、小前《こめえ》の者《もん》にも思われる位《くれ》えで、流石《さすが》お武家《さむれえ》さんの娘だけ違ったもんだ、婆様《ばアさま》ア家《うち》は好《い》い嫁え貰ったって村の
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