ア脊骨を殴《どや》して飯を吐《はか》せても云わせるぞ」
 富「アヽ痛い/\痛うござります、アヽ痛い、腕が折れます、ア痛い」
 花「さ、云って了《しま》え、云わなければ殴すぞ」
 富「アヽ痛うござります」
 花「やい能く考えて見ろ、実は大恩があるのに済みませぬが、旦那は私《わし》が手引をして殺させました、其の申訳《もうしわけ》の為に私は坊主になって旦那の追善供養を致しますといえば、お内儀様《かみさん》に命乞《いのちごい》をして命だけは助けて遣るから、一角が殺したと云ってしまえよ」
 富「云って了《しま》えと仰しゃっても、あゝ痛い痛うございます、だから私《わし》は申しますがね、あ痛い是はどうも恐入ったね、あゝ痛い、腕が折れます、あゝ申します/\、申しますからお放し下さい然《そ》う手をぐっと関取の力で押えられると骨が折れてしまいますから、アヽ痛いどうも情ないとんだ災難でげす、無実の罪という事は致し方がないなア、関取能くお考えください、私《わたし》は恥をお話し致しますよ、昨年夏の取付《とッつ》きでげしたが、瓜畑を通り掛りまして、真桑瓜を盗んで食いまして、既《すで》に縛られて生埋になる処を、旦那
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