えいうだ、どうだい、帰《けえ》ったばかりで草臥《くたびれ》て居るだろうが、行って遣《や》ってくんろよ」
富「ヘエ成程関取が用立った処が向の奴が返さんのですか、なに直《す》ぐ取って上げましょう、造作もありません、百両……百両……なアに金なんぞお礼に戴かぬでも御懇意の間でげすから直ぐに行って参ります」
と止せばよいのに黒い羽織を着て、一本|帯《さ》して、ひょこ/\遣って来ましたのが天命。
富「はい御免なさい、関取のお宅《うち》は此方《こちら》でげすか、頼みます/\」
弟子「おーい此処《こゝ》だい」
花「これ/\一寸此処へ来い、富五郎という人が来たら奥へ通して己が段々掛合いになるのだで、切迫《せっぱ》詰って彼奴《あいつ》が逃げ出すかも知れないから、逃げたらば表に二人も待ってゝ、逃《にげ》やがったら生捕《いけど》って逃がしてはならぬぞ、えゝ、初めは柔和な顔をして掛合うから」
弟子「逃げたら襟首を押えて」
花「こう/\そんな大きな声を、此方《こちら》へお這入りなさいといえ」
六十七
弟子「此方《こっち》へお這入んなせい」
富「御免を蒙《こうむ》ります」
花
前へ
次へ
全520ページ中359ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング