り》でも構わぬからずぶ/\突《つッ》ついて一角を殺すが好《い》いどうじゃ」
 隅「本当に有難いこと、嘸《さぞ》旦那様が草葉の蔭でお喜びでございましょう、関取私は殺されてもいゝから旦那様の敵《かたき》を取って」
 母「何分にもよろしくねがえます」
 花「余り敵/\と云わないがいゝ、私《わし》は先へ帰りますから」
 と脇差を元の如く包んで帰りました。後《あと》へ入《い》り替って帰りましたのは山倉富五郎、
 富「ヘエ只今帰りました」
 母「富や、大層|帰《けえ》りが遅かったね」
 富「なに帰り掛けに法蔵寺様へ廻りまして、幸い好《い》い花がありましたからお花を手向《たむ》けましたが、お墓に向いましてなア、実に残念でございまして、何《なん》だか此間《こないだ》まで富/\と仰しゃったお方がまアどうも、石の下へお這入りなすったかと存じましたら胸が痛くなりまして、嫌な心持で、又|家《うち》へ帰って貴方がたのお顔を見ると、胸が裂《さ》ける様な心持、仏間に向って御回向《ごえこう》致しますると落涙《らくるい》するばかりで、誠にはや何《な》んとも申そう様はありません」
 母「まア能く心に掛けて汝《われ》が墓参
前へ 次へ
全520ページ中357ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング