だけれども諦めが付かないでついはア泣きます、まア何んともいい様がありません、嘸《さぞ》お前さんには一《ひ》と通りではありますまい、お察し申しております、お隅さんも嘸御愁傷でしょう」
母「はい私《わし》の泣くのは当り前のことだが、あのお隅は人にも逢わなえで泣いてばいおるから、そう泣いてばいいると身体に障るから、些《ちっ》と気い紛《まぎ》らすが宜《え》え、幾ら泣いても生返《いきけえ》る訳でなえというけれども、只|彼処《あすこ》へ蹲《つくな》んで線香を上げ、水を上げちゃア泣いてるだ、誠にハア困ります」
花「はいお隅さんを一寸|茲《こゝ》へお呼びなすって下さい」
母「お隅やちょっくり此処《こゝ》へ来《こ》うや、関取が来たから来うや」
隅「はい/\」
母「さア此処《こけ》へ来《き》や、待ってるだ」
隅「関取おいでなさい」
花「はいお隅さんまア何《な》んとも申そう様はありません、とんだことになりました、嘸《さ》ぞお力落しでございましょう」
隅[#「隅」は底本では「花」]「はい、もうね毎日お母《っか》さんと貴方の噂ばかり致しまして、どうしておいでなさいませんか、何かお心持でも悪いこと
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