は自分の部屋にばい這入って泣いて居るから、此間《こねえだ》もお寺へ行ったら法蔵寺の和尚様ア因果経というお経を読んで聴かせて、因果という者アあるだから諦めねばなんねえて意見をいわれましたが、はアどうも諦めが付かなえで、只どうも魂消てしまって、どうかまアこういう事なら父《とッつ》アんの死んだ時一緒に死なれりゃア死にたかったと思えますくらいで」
 花「はい、私《わし》もねえお寺詣りには度々《たび/\》参ります、それも一人で、実は人に知れない様に参りました、是には深い訳のあることで、私が不実で来ないと思って定めて腹を立てゝお出でなさるとは知っていますが、少し来ては都合の悪い事があって来ませぬ、お前さん私は今まで泣いたことはありません、又大きな身体《なり》をして泣くのは見っともねえから、めろ/\泣きはしませんけれども、外《ほか》に身寄兄弟もなし、重吉手前とは兄弟分となって、何《な》んでもお互に胸にある事を打ち明けて話をしよう、力になり合おうといっておくんなさいました、其のお前さん力に思う方に別れて、実に今度ばかりは力が落ちました、墓場へ行って花を上げて水を手向《たむ》けるときにも、どうも愚痴の様
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