から一日たって居るので粘って抜けない、脇差の抜けませんのにいら立つ処を又《ま》た一刀《ひとかたな》バッサリと骨を切れるくらいに切り込まれて、向《むこう》へ倒れる処を、又|一刀《ひとかたな》あびせたから惣次郎は残念と心得て、脇差の鞘ごと投げ付けました、一角がツと身を交《かわ》すと肩の処をすれて、薄《すゝき》の根方《ねがた》へずぽんと刀が突立《つった》ったから、一角は血《のり》を拭いて鞘に収め、懐中へ手を入れて三十両の金を胴巻ぐるみ盗んで逃げようとすると、向の方から蛇の目の傘を指《さ》し、高足駄《たかあしだ》を穿いて、花車重吉という角力が参りました時には、一筋道《ひとすじみち》で何処《どこ》へも避《さ》けることが出来ません、一角は狽《うろた》えて後《あと》へ帰ろうとすれば村が近い、仕方がないからさっさっと側の薄畳の蔭の処へ身を潜め、小さくなって隠れて居ります。此方《こちら》は富五郎はバッサリ切った音を聞いて、直《すぐ》に家《うち》へ駈けて行《ゆ》く、其の道すがら茨《いばら》か何かで態《わざ》と蚯蚓腫《みみずば》れの傷を拵《こしら》えましてせッ/\と息を切って家《うち》へ帰り
*「けしかける
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