というので大勢来て見ると、貴方は宅へ帰って寝て居る時分だから分らぬてえ、気の毒なといって死骸を引取り、野辺送りをしてしまってから、ようがすか、其の後《ご》は旦那様が入らっしゃりませんでは私がいても済みません、殊《こと》には彼《あ》アいう処へお供をして、旦那が彼アなれば猶更どうも思い出して泣く許《ばか》りでございますから、江戸表へという、惣次郎が死ねばお隅さんも旦那様がいなければ此の家《うち》にいても余計者だから私《わたくし》も江戸へ帰るという、江戸へ行《ゆ》くなれば一緒にというので、お隅を連れて来てずうっと貴方の処へ長熨斗を付けて差上げる工風《くふう》、富五郎の才覚、惚れた女を御新造にして金を三拾両只取れるという、是迄種を明《あか》してこれでも疑念に思召《おぼしめ》すか、えゝどうでげす」
安「成程是は面白い、それに相違ないか」
富「相違あるもないも身の上を明してかくお話をして、是をどうも疑念てえ事はない、宜しい手前も武士《さむらい》で金打《きんちょう》致します…今日はいけません…木刀を帯《さ》して来たから今日は金打は出来ませんが、外《ほか》に何《ど》の様なる証拠でも致します」
安
前へ
次へ
全520ページ中338ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング