をしていて貰い度《た》いがどうだね」
富「ヘエどうも恐入りました事で、斯様なるどうも罪を犯した者をお助け下さるのみならず、半年も置いてお養い下さるとは、何《なん》ともどうも恐れ入りました、此の御恩は死んでも忘却は致しません、何《ど》の様なる事でも実に寝る眼も寝ずに致しますから、何卒《どうか》お助けを願います」
惣「よろしい、縄を解け」
と解かしまして、
惣「お腹《なか》が空《す》いたろう、サア御膳をお喫《あが》り」
とサア是から富五郎が食ったの食わないのって山盛にして八杯ばかり食置《くいおき》をする気でもありますまいが沢山食べました。書物を遣らして見ると帳面ぐらいはつけ、算盤《そろばん》も遣り調法でべんちゃら[#「べんちゃら」に傍点]の男で、百姓を武家言葉で嚇《おど》しますから用が足りる、黒の羽織なぞを貰い、一本|帯《さ》して居る、其のうち
富「古い袴《はかま》が欲しい、小前《こまえ》の者を制しますには是でなければ」
などとべんちゃら[#「べんちゃら」に傍点]をいう。惣次郎の顔があるから富さん/\と大事にする。段々|臀《しり》が暖まると増長して、素《もと》より好きな酒だか
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