女を貰いましょう」
 花「是は仕様がねえ、じゃア、まアお前さんが剣術遣だから刀に掛けても貰おうというだら私《わし》は角力取だから力に掛けても遣る事は出来《でけ》ぬと極めた、それより外《ほか》は出来《でけ》ませんわ」
 というと一角も額に青筋を張って中々聴きません。此の家《うち》へお飯《まんま》を喫《た》べに這入った人達も驚きましたが中には角力|好《ずき》で江戸の勇み肌の人も居りまして、
 客「どうだもう帰《けえ》ろうじゃアねえか、因業《いんごう》な武士《さむれえ》だ彼《あ》の畜生《ちきしょう》」
 客「ウム己達《おらっち》が彌平《やへい》どんの処へ来るたって深《ふか》しい親類でもねえが、場所中《ばしょちゅう》関取が出るから来ているのだが、本当に好《い》い関取だなア、体格《からだ》が出来て愛敬相撲だ一寸《ちょっと》手取《てとり》で、大概《てえげえ》角力取が出れば勘弁するものだが、彼奴《あいつ》め酒を打掛《ぶっか》けやアがって酷《ひど》い事しやアがる」
 客「相手の武士《さむれえ》は三人だ、関取がどっと起《た》って暴れると根太《ねだ》が抜けるよ」
 客「斯《こ》うしようじゃアねえか、折《お
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