》も同道する積りでしたが、左様なれば往《い》かないでも先方《むこう》で咎《とが》めるでもなし、怒《おこ》りもしますまい、それでは止《や》めましょう」
母「そういえばハア困るべえじゃアねえか、行くなアとはいわねえが、出れば泊りがけの事も有るし、帰《けえ》らねえ事も有るから、それで私《わし》が案じるからいうので、行くなアとはいわねえ、行っても能《いゝ》から早く帰《けえ》って来《こ》うというのだ、お前《めえ》は今迄親に暴《あれ》え言《こと》をいい掛けた事はねえが、此の頃は様子が異《ちが》って意見らしい事をいえば顔色《かおいろ》が違うからいうだ、私は段々年を取り惣吉はまだ子供なり、役には立たねえから、お前も堅くって今まで人に云われる事もなかっただから、間違《まちげ》えはなかろうけれども、若《わけ》え者の噂にあんなハア美《うつ》くしい女子《おなご》があるから家《うち》へ帰《けえ》るは厭《いや》だんべえ、婆様《ばあさま》の顔見るも太儀《たいぎ》だろうなどという者もあるから、そんな事を聞くと心配《しんぺい》で成んねえもんだから、少しも能く思わせてえのが親の慾でござらア、行くなという訳ではねえ往って
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