って行って詮議方《あらいかた》するというから、驚いて否応《いやおう》なしに種を明《あか》した」
賤「アレ/\あれだもの、新吉さん、それだもの、本当に仕方がないよ、彼《あれ》までにするにゃア、旦那の達者の時分から丹精したに、彼《あ》の悪党に種を明して仕舞って何《ど》うするのだよ、幾ら貸したって役に立つものかね、側から借りに来るよ彼奴《あいつ》がさ」
新「だけれども隠すにも何も仕様がない、本堂へ持って行かれりゃア直《すぐ》に悪事《ぼく》が露《わ》れるじゃアねえか、黙って埋めて遣るから云えというので」
賤「本当に仕様がないよ、何処《どこ》へでも持って行けと云えばいゝじゃアないか」
新「然《そ》ういうと直《すぐ》に彼奴《あいつ》が持って行《ゆ》くよ」
賤「持って行ったっていゝじゃアないか、何処《どこ》までも覚えは有りませんと私も云い張ろうじゃアないか」
新「云い張れないよ、彼奴《あいつ》ア中々の奴でそれに彼《あ》アいう時は口が利けないからねえ、脛疵《すねきず》だからお前のいう様な訳にゃアいかねえ、金で口止めするより外《ほか》に仕方はないよ」
賤「でも三拾両貸すと、ばんごと/\来て
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