いたずら》アするなア」
甚「悪《わり》いたって己がしたのじゃアねえ、自然《ひとりで》に出たのだ新吉|咽喉頸《のどっくび》に筋が出て居るな、此の筋を見や」
新「エ、筋が有ったっても構わねえ、水を掛けて早く埋めよう、おい早く納めよう」
甚[#「甚」は底本では「新」]「納められるもんかえ、やい、是《こ》りゃア旦那は病気で死んだのじゃアねえ変死だ、咽喉頸に筋があり、鼻血が出れば何奴《どいつ》か縊《くび》り殺した奴が有るに違《ちげ》えねえ」
新「何《なん》だ人聴《ひとぎき》が悪《わり》いや、大きな声をしなさんな、仏様の為にならねえ」
甚「手前《てめえ》も己も旦那には御恩があらア、其の旦那の変死を此の儘に埋めちゃア済まねえ、誰《たれ》か此の村に居る奴が殺したに違《ちげ》えねえから、敵《かたき》を捜して、手前も己も旦那の敵を取って恩返《おんげえ》しを仕なけりゃア済まねえ、代官へでも何処《どこ》へでも引張《ひっぱ》って行くのだ、本堂に若旦那が居るから若旦那に一寸《ちょいと》と云って呼んで……」
新「何《なん》だな其様《そん》な事をして兄い困るよ、藪を突付《つっつ》いて蛇を出す様な事をいっち
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